六本松ひとみ泌尿器科では、さまざまな女性特有のお悩みについても診察を行っております。泌尿器科というと、特に女性にとってはデリケートな問題のため受診しづらいものです。当院では、内診などの診察も女性医師が行いますので、女性の患者さまにも安心してご来院いただけます。まずは、症状やお悩みを丁寧にお聞きし、それに伴う必要な検査を行い、診断内容や治療方針について分かりやすくご説明いたします。高度医療機関での治療が必要と判断した場合は、適切な医療機関へご紹介いたします。気になる症状がある方は、恥ずかしいから我慢しようと思わず、まずはお気軽にご相談ください。
このような症状でお悩みではありませんか?
□尿もれがある
□排尿時に痛む
□残尿感がある
□出血がある
□トイレが近い(頻尿)
□急にトイレに行きたくなり我慢できない
□股に何か挟まっているような感じがする
□下腹部に痛みがある
□おりものに異常がある
□性交時に痛みがある
女性泌尿器科で診療する主な疾患・症状
尿もれ
尿もれは、年齢と共に誰にでも起こりうる症状です。しかし、誰にも言えず一人悩まれている方は多いのではないでしょうか?女性の尿道は、男性に比べて5分の1ほどしかなく、また出産や加齢などにより骨盤底筋の低下も起きやすいため、尿もれが起きやすいのです。尿もれ・尿失禁は、直接命に関わる症状ではありませんが、生活の質に大きく支障をきたしてしまう病気です。お困りの場合は一人で我慢せず、まずは一度受診してみてください。
頻尿
通常、1日で排尿回数が8回以上、夜間2回以上ある場合は頻尿と言えます。しかし、尿量や排尿回数は人それぞれで、水分摂取量によっても変わってくるので、8回以下でも排尿回数が多く不便と感じる場合は、頻尿と言えます。原因はさまざまで、膀胱炎、尿路感染、過活動膀胱などが考えられます。疾患名がはっきりとしている場合は、その疾患に対する治療を行い、加齢や水分量の取りすぎが原因であれば、排尿の間隔などを記録したり生活習慣の見直しをすることで改善を目指します。
膀胱炎
尿道から膀胱へ細菌が入り込み炎症を起こす病気で、女性に多く見られます。女性は、男性に比べて尿道が3〜4cmと短く、また尿道口と肛門・膣が近いため、細菌が侵入しやすいということが、女性が膀胱炎になりやすい原因となっています。多少の細菌が侵入しても、元々膀胱に備わっている力で、感染を起こさないようになっていますが、疲労がたまっていたり、女性に多い冷えやトイレの我慢のしすぎなどが重なると、膀胱炎を発症してしまいます。
炎症のせいで、トイレに行っても行ってもスッキリせず、痛みがあるという状態がしばらく続き、辛いかもしれませんが、抗生物質の服用で早い人は数日以内に痛みなどの症状は改善されます。
主な症状
排尿時に痛む、頻尿、残尿感がある、尿が濁る、血尿が出る など
日常生活での注意点
・水分を多めにとる
・トイレを我慢しすぎない
・月経中や性行為の後などは特に清潔に保つ
・排尿、排便の後は前から後ろへ拭く
・疲れやストレスをためない
・下半身を冷やさない
服薬治療と日常生活での注意でほとんどは治りますが、膀胱炎は、繰り返しやすい病気でもあります。気をつけていても、あまりに続く場合は、別の疾患が隠されている場合もあるので、検査を受けましょう。
過活動膀胱
過活動膀胱(OAB)とは、膀胱に尿が十分にたまっていないのに急に切迫した尿意が起きて、頻尿になったりトイレに間に合わず漏れてしまったりする状態を言います。過活動膀胱には、脳血管障害や脊髄損傷などの後遺症による神経因性のものと、骨盤底筋のゆるみが原因の非神経因性のものがあります。過活動膀胱と似た症状が他の疾患によるものである場合もあるため、その可能性がないかを確認するためにも、尿検査、エコー検査などで検査します。疾患が原因で症状が出ている場合は、その疾患に対する治療を行います。過活動膀胱の治療法としては、まず一般的には膀胱の収縮を抑える薬物療法を行います。
主な症状
急な尿意を我慢できない、頻尿(日中8回以上)、夜間頻尿(夜中2回以上)、トイレに間に合わない など
女性の過活動膀胱について
女性の尿もれの原因は、加齢・出産などによる骨盤底筋のゆるみが大きく関係しています。骨盤底筋のゆるみは、子宮などが膣から出てしまう骨盤臓器脱の原因にもなり、それによる尿道の圧迫でも過活動膀胱が起こりやすくなります。過活動膀胱により、頻尿になってしまった時も骨盤底筋が鍛えられていると、尿もれを防ぐことができるので、骨盤底筋を鍛える体操を普段から心がけると症状の改善に効果的です。尿意を我慢する膀胱訓練と合わせて行うとさらに効果的です。
また、女性は更年期になると、女性ホルモンの減少が原因で膀胱が収縮しやすくなったりもします。その場合は、女性ホルモンを補足する場合もあります。女性は冷えにも弱いので、下半身を冷やさないように気をつけたり、冷たい飲み物は避け温かい飲み物を取るように心がけましょう。
骨盤臓器脱
膀胱や子宮など下腹部の内臓を下から支えている骨盤底筋の低下が進むと、骨盤臓器脱が発生しやすくなります。これは、膀胱・子宮・直腸などの臓器が体外に出てきてしまう疾患です。
不正出血
通常の生理以外で、性器から出血が見られることを不正出血と言います。出血は若い女性から年配の方まで幅広く見られる可能性があり、出血の状態も、下着に血が付いている程度なのか、トイレで排尿時などに出血が見られるのかなど、出血の量やタイミングによっても考えられる原因が違います。ホルモンバランスの乱れからきているものなのか、炎症や疾患から起きているものなのか、出血の原因をはっきりさせることが重要です。炎症、ポリープや癌などの疾患から出血が起きている場合は、その疾患に対しての治療を早期に行う必要があります。膣からの不正出血と思っていたら、血尿だったということもあります。
当クリニックでは、女性医師が内診を行い、泌尿器科と婦人科の双方の観点から診察いたします。高度医療機関での検査・治療が必要と判断した場合には、適切な医療機関へご紹介いたします。
考えられる疾患
膀胱炎、過活動膀胱、骨盤臓器脱、膣炎、尿道ポリープ、子宮頸管ポリープ、子宮筋腫、子宮体癌、子宮頸癌、卵巣癌、膀胱癌 など
間質性膀胱炎
間質性膀胱炎は、細菌感染が原因の急性膀胱炎と症状が似ていますが、全く違う病気です。急性膀胱炎のように尿に異常が見られることはなく、膀胱に何らかの慢性的な炎症が生じる原因不明の女性に多い疾患です。頻尿や下腹部の痛みから、膀胱炎や過活動膀胱の治療薬が処方されることがありますが、あまり効果がなくその場合は間質性膀胱炎を疑います。他の疾患でないことを確認するための尿検査や血液検査に加え、膀胱鏡(内視鏡)の検査が重要です。膀胱水圧拡張術で、膀胱の粘膜に五月雨状の出血があるかどうかを調べ、同時に治療を行います。膀胱水圧拡張術での治療後は、数ヶ月で再発する可能性があるので、内服しながら食生活などの日常生活に注意して悪化を防ぐことが重要です。高度医療が必要と診断された場合は、適切な医療機関へご紹介いたします。
主な症状
膀胱炎を繰り返す、膀胱炎の薬を飲んでも症状が治らない、頑固な頻尿、夜間頻尿、尿がたまると下腹部が痛い、何度もトイレに行きたくなる、性交時に痛む など
日常生活で気をつけること
水分をしっかり取る、コショウ・唐辛子・わさび・酢などの刺激物を控える、できる範囲で膀胱に尿をためる膀胱訓練を行う など